たろちゃんの痙攣重積型急性脳症_経過日記

痙攣重積型(二相性)急性脳症を罹患した娘の経過記録

【2病日目】入院

前日には微熱があり元気のない様子でしたが、この日は朝から元気よく起きてにっこりしながら私を起こしに来ました。
元気になったものと思い、外に10分ほど散歩しに出かけました。
12月という事もあり、結構冷えます。
「ここで安静にしておけば、ひょっとしたら何も起こらなかったかもしれない…」と何度も何度も後悔しています。

散歩の後も普段どおりに元気に動き回っており、この時点では前日のことはほとんど忘れています。
「熱性けいれんは小児には良くあることだし大丈夫だろう」
そんな風に思っていたと記憶しています。

 

夕方。
これもまた、ものすごく後悔している事ですが、またもや普段の調子で散歩に出かけました。
こうして書いていると、ひたひたと自分への怒りが込み上がってきます。

 

散歩から帰って、急にぐったりしました。熱を測ってみると39℃台。
寒いかもしれないので、私の胸の上に抱っこして、寝かせました。
私はと言えば本当に呑気なもので、「散歩に行ったのは失敗だった」と思いつつも、「昨日の熱の延長だろう。安静にさせておけば収まるだろう。」そんな風に考えていました。

 

18時頃。
妻はお好み焼きを作ってくれていました。
私は夕方からずっと、たろちゃんを胸の上で寝かしつつ、呑気にゲームをしていました。
突然、ぐったりとうつ伏せで寝ていたたろちゃんがふっと顔をあげました。
「よしよし」と寝かそうとしましたが、様子がおかしい。
目が全く合いません。
そのまま視線を90℃移動させ、その状態で固まってしまいました。その方向には誰も何もありません。
呼びかけにも全く反応無し。どう考えても様子がおかしい。

 

すぐに妻に叫んで知らせます。
「痙攣だ」

 

痙攣にしては左右非対称な上に、数分立っても収まりません。
すぐに救急車を呼びますが、うちはド田舎のためなかなか来ません。
苛立ち、後悔、不安、いろんな感情が押し寄せながらも、できるだけ冷静に身支度を整えます。

 

救急車が到着しても、たろちゃんは痙攣したまま。
結局、受け入れ先の病院に到着しても痙攣は続き、通算1時間以上痙攣していました。
おまけに、普通の鎮静剤を打っても効かず、強めの鎮静剤を投与する事になりました。
(痙攣重積型急性脳症では、このように鎮静剤に対して抵抗性を示す症例が多いようです。)

 

救急医(この先生がたまたま小児の先生でそのまま担当医となりました)によると、「熱性けいれんだと思われるが、もの凄い低い確率で急性脳症の発症する可能性もあるため、数日間病院で様子を見る」との診断でした。
痙攣が収まったこともあり安堵していた私は、本当に愚かなのですが、「そんなに低い確率なら起こらないだろう」と高をくくっていました。
ただ、こんな風に大事になってしまった事には大いに反省しており、「今後はもっとたろちゃんの表情や様子を見守っていかねばならない」と決意していました。

 

この日は眠っているたろちゃんを残して、夫婦で帰りました。
明日、妻が入院準備をして付き添いをしてくれる事になりました。

家に着くと、フライパンの上には、焼きかけのお好み焼きが載っかっていました。


(続く)