たろちゃんの痙攣重積型急性脳症_経過日記

痙攣重積型(二相性)急性脳症を罹患した娘の経過記録

現在のたろちゃん(182病日)


こんにちは。たろちゃんパパです。
今日は現在のたろちゃん(発症後、約半年)の状態について紹介します。

 

この1~2ヶ月は認知の幅が広がったと感じています。

以前は周りで何かが起こっていても、ぼーっとしているだけでしたが、周りへの興味関心が強くなり、好奇心の塊に戻りつつあります。
宇宙語もレパートリーが増えてきていて、ひょっとしたらもうすぐ言葉が出るかも?と期待していますが…果たして。

 

他にも思い出したら足していきたいと思います。

 

 

◆運動
・走る(ほとんどコケない)

・階段の上り下りも時々こけるが自力で出来る
・テーブルの上り下りをスムーズにできる

・指で小さなものをつまむ・引っ張るが出来るようになってきた
・指の力もだいぶと戻ってきた

 

◆認知
・自分の名前にしっかり反応する
・「おいで」「めっめ」「(いけない事をした時に)あら!」などを理解している反応を示す
・怒られているであろう事をすぐに理解できる
・「かっか、じいじ」を理解している(その場にいないと淋しげな表情と声を出す)
・遊びのレパートリが増えてきた(ご飯をこねて遊ぶ、布団に後ろ向きでドスンと倒れる、壁に爪を立ててガリガリ等)
・絵本を読むと笑う
・お菓子の袋の中に手を突っ込んで取る
・時々オウム返しまではいかないが音真似らしき事をする
・何でも口に入れるのは継続していますが、常に何か口に入れているわけではなく、興味のあるものだけという感じ。口唇傾向を否定できるかなと思います。
・高い所に登っているときに、そこが高い所で慎重を期する必要がある事を理解している

・美味しいものを親が手に持っていると嬉しそうに走ってくる

【2病日目】入院

前日には微熱があり元気のない様子でしたが、この日は朝から元気よく起きてにっこりしながら私を起こしに来ました。
元気になったものと思い、外に10分ほど散歩しに出かけました。
12月という事もあり、結構冷えます。
「ここで安静にしておけば、ひょっとしたら何も起こらなかったかもしれない…」と何度も何度も後悔しています。

散歩の後も普段どおりに元気に動き回っており、この時点では前日のことはほとんど忘れています。
「熱性けいれんは小児には良くあることだし大丈夫だろう」
そんな風に思っていたと記憶しています。

 

夕方。
これもまた、ものすごく後悔している事ですが、またもや普段の調子で散歩に出かけました。
こうして書いていると、ひたひたと自分への怒りが込み上がってきます。

 

散歩から帰って、急にぐったりしました。熱を測ってみると39℃台。
寒いかもしれないので、私の胸の上に抱っこして、寝かせました。
私はと言えば本当に呑気なもので、「散歩に行ったのは失敗だった」と思いつつも、「昨日の熱の延長だろう。安静にさせておけば収まるだろう。」そんな風に考えていました。

 

18時頃。
妻はお好み焼きを作ってくれていました。
私は夕方からずっと、たろちゃんを胸の上で寝かしつつ、呑気にゲームをしていました。
突然、ぐったりとうつ伏せで寝ていたたろちゃんがふっと顔をあげました。
「よしよし」と寝かそうとしましたが、様子がおかしい。
目が全く合いません。
そのまま視線を90℃移動させ、その状態で固まってしまいました。その方向には誰も何もありません。
呼びかけにも全く反応無し。どう考えても様子がおかしい。

 

すぐに妻に叫んで知らせます。
「痙攣だ」

 

痙攣にしては左右非対称な上に、数分立っても収まりません。
すぐに救急車を呼びますが、うちはド田舎のためなかなか来ません。
苛立ち、後悔、不安、いろんな感情が押し寄せながらも、できるだけ冷静に身支度を整えます。

 

救急車が到着しても、たろちゃんは痙攣したまま。
結局、受け入れ先の病院に到着しても痙攣は続き、通算1時間以上痙攣していました。
おまけに、普通の鎮静剤を打っても効かず、強めの鎮静剤を投与する事になりました。
(痙攣重積型急性脳症では、このように鎮静剤に対して抵抗性を示す症例が多いようです。)

 

救急医(この先生がたまたま小児の先生でそのまま担当医となりました)によると、「熱性けいれんだと思われるが、もの凄い低い確率で急性脳症の発症する可能性もあるため、数日間病院で様子を見る」との診断でした。
痙攣が収まったこともあり安堵していた私は、本当に愚かなのですが、「そんなに低い確率なら起こらないだろう」と高をくくっていました。
ただ、こんな風に大事になってしまった事には大いに反省しており、「今後はもっとたろちゃんの表情や様子を見守っていかねばならない」と決意していました。

 

この日は眠っているたろちゃんを残して、夫婦で帰りました。
明日、妻が入院準備をして付き添いをしてくれる事になりました。

家に着くと、フライパンの上には、焼きかけのお好み焼きが載っかっていました。


(続く)

これまでのMRIの経過

大変ご無沙汰してます。たろちゃんパパです。

前回から1ヶ月・・・おまけにすごく中途半端に離脱してしまいました。

罪悪感のようなものに苛まれ、「書かなきゃ書かなきゃ」と思いつつ、書けずじまいでした。

理由については色々あるのですが、ショックなことが色々とあったり、人生の岐路みたいなものにぶち当たったりといった感じで、余裕がありませんでした。

いかんせん、メンタルが弱っちいので(笑)、何かあると更新が途絶えます。

「小さくであっても続けること」を意識しながらぼちぼちとやっていきたいと思います。

 

さて、今日は前回に引き続き、MRIの結果を紹介します。

念の為、SPECTの結果も添えておきます。

ピンぼけしてる写真もあるので、もしもっとクリアな写真を見たいという方がいらっしゃいましたら、ご連絡ください。

ではどうぞ。

 

 

①Late Seizureから4日後

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炎症真っ只中のMRIです。

ぼけてて大変申し訳ないのですが、この写真では中央部分に高信号(白い部分)が認められます。

すごく小さく写っていますが、実際に検査結果を見たときには中央から広範囲で白くなっていました。

ここではまだ、萎縮は見られません。

 

②Late Seizureから12日後

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炎症がおそらく終わったと思われるタイミングです。

後日担当医が小児神経専門医にこの画像を見せたところ、「大したことない」との初見だったそうですが、どうみても全体が萎縮しています。

ショックというよりは現実感なく映画でも観ているような感覚に陥ったのを覚えてます。

痙攣重積型急性脳症では、炎症後に脳全体が萎縮することは知っていましたが、それでもやっぱりキツかったです。

ただ、担当医によると、たろちゃんはLate Seizureを鎮めるために「ステロイドパルス療法」を実施したため、この萎縮にはステロイドによる副作用も含まれているだろうとの事でした。

 

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この2枚も同日のものです。

信号の程度はわかりませんが、萎縮の程度はわかると思います。

後の写真と比べられるように貼っておきます。

 

③Late Seizureから139日後

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直近のMRIです。血流は戻っているとの評価でした。

今後はMRIは実施しないそうです。

パット見だと結構回復しているように思えますが、外側の萎縮(大脳新皮質)が目立つように見受けられます。(これは個人の意見です)

 

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頭頂部です。

比較写真が無くて申し訳ないのですが、くっきりと萎縮があることはお分かり頂けると思います。

 

 

 

画像の紹介は以上です。

外側の萎縮が全体的に回復してきてない事から判断出来る通り、現状もそれに沿った経過であると思われます。

具体的には、身体的な活動は凄く良好(最近じゃ走ってます。テーブルを一人で上り下りしたりも出来ます。)なのですが、知的な部分で「うーん」となってしまう部分が多いです。

病前(1歳0ヶ月)では、「いないいない?」というと、扉に隠れて「ばあ」とやっていたり、「ありがとして?」というと、お辞儀をしたり、誰かが何かをしているところをじーっと見て、それを真似るという芸当も良くやっていました。

親ばかかもしれませんが、本当に賢かったです。

今は、私達夫婦が「こうやるんだよ~」と教えてみても、ぼーっと見ているだけです。

言葉についても、病前色々と出ていたのですが、今の所、意味のある言葉は出てきていません。

 

とはいえ、よく笑うようになってくれて、私が家に帰ってくると、満面の笑みで迎えてくれます。あまり幸せを感じるタイプの人間ではなく、ひねくれた性格の私ですが(笑)、このときばかりは幸せを感じます。

本当に戻ってきてくれてよかったです。

少しずつではありますが、ここ最近になって、判断能力や学習能力もついてきた感じがしています。

 

今回は以上になります。

明日は現状の状態を詳しくお伝えしたいと思います。

これまでのSPECTの経過

こんにちは。たろちゃんパパです。

今日はこれまでのSPECTの画像を上げてみたいと思います。

次回はMRIの画像を載せる予定です。

本当はMRIからの予定だったのですが、頂いた画像が見当たらなく…。

※画質が悪くて申し訳ないです

 

一応わからない方のために説明しておきますと、

SPECTで脳の血流を知る事ができます。

赤なら血流多~青なら血流少、です。

では本題へ。 

 

①2度目の痙攣(Late Seizure)当日

緑がベースですので、血流自体はそんなに悪くないですが、左右非対称なのが特徴的です。

上が顔面側です。赤色になっていますので、前頭葉で炎症を起こしていると思われます。

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②Late Seizureから4日後

これも左右非対称。

血流が広範囲で赤なのは炎症を起こしているから。

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③Late Seizureから12日後

血流は広範囲で低下していました。

おそらく、炎症は終わった、という状態です。

この画像は緑の範囲が結構多いのですが、実際のSPECTを見たときはずっと真っ青で、ショックを受けたのを覚えています。

たろちゃんはステロイドパルス療法を実施しました。

なので、これがステロイドによる血流低下だったのか、急性脳症によるものなのか、あるいはそのどちらもなのか、判断しかねるものがありました。

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④Late Seizureから139日後

(今回は下が顔面です)

広範囲で緑になっています。問題なしとの診断でした。

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経過の概要 その3~52病日から101病日

※カッコ内の数字は、病日を表します。


・(54)1秒だけ手を放して立てた。散歩に行くと外のものに興味をもってキョロキョロするようになった。
・(58)動けないなりにもぎこちなくハイハイのような動作で動く。自分の意志のようなものを感じるようになった。一方で、言葉は依然として認識できていないようだ。手も全く使えない。笑顔も殆ど無い。
・(64)直近数日で劇的に改善。よく笑うようになった(これは本当に嬉しかったです)。たかいたかいするとしっかり笑う。つかまり立ちが出来るようになった。手放しでも5秒位立てるようになった。自主的につかまり立ちから手を離して立とうする。自分の行きたい方向に行けるようになった。全体的な身体の力も戻ってきた。布団の上だと力が足りず殆ど動けない。重心を取る力も戻ってきて、簡単には倒れなくなった。なにより、たろちゃんらしさが戻ってきた。

 

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この数週間は、本当に感謝の毎日でした。
田舎ながらも良い先生に当たったこと(たまたま救急で運ばれた時の担当医が小児の先生で、その方に担当して頂きました。威張らず奢らず粛々と適切な処置をしてくださる素晴らしい先生です。)、睡眠不足が続く過酷な状態で、看病するだけでなくリハビリも施し続けてくれた妻、そして何より、ここまで回復してくれたたろちゃん。本当に感謝しています。
どこぞの、たろちゃんを病気にするような使えない「神様」より、彼・彼女達は、私にとって「神様」です。
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・(67)頻繁に立とうし、こけるときもきれいに体勢を整えてコケる。この頃から、後遺症が残らない可能性を感じるようになりました。
・(69)とにかくよく笑う。自分の意志でひたすら動き続ける。(これ自体が物凄いリハビリだと思いました。)手を使おうとする動きが出てきた。軽いものなら持てるようになった。自分の名前も認識しているように思われる。
・(79)乳を吸っているときに甘噛みしてニヤける仕草をした。立って1歩歩いた。ハイハイはお手のもの。目の虚ろさが消えてきた。
・(83)突然の号泣の後(感情失禁は普段一切ありません)、歩き始める。ひたすらお口チェックし始める。興味のあるものに顔を近づけて食べる(ワンちゃんみたい…笑)
・(89)たどたどしいながらも普通に歩けるようになった。手の動きも少しずつ良くなった。
・(101)声のレパートリーが増えてきた。歩くどころか小走りを始めた。ものを手で掴んで口にする動作が見られるようになった。

 

※経過の概要は次回で終わりです。

MRIと脳波検査(139病日)

こんにちは、たろちゃんパパです。
 
前回の更新からだいぶ日が経ってしまいました…
なかなか三日坊主が抜けません(笑)
少し落ち着きましたので、今月は2日に1投稿を目指していきたいと思います。


今日は、

①先月実施したMRIと脳波検査の結果
②現在のたろちゃん

についてお話していきたいと思います。

 

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MRIと脳波検査の結果

こちらは先月の4月中旬に実施しました。
実際の画像を近いうちに載せてみたいと思います。(もうしばらくお待ち下さい…。)


MRIの結果
高信号は消滅。正常な脳の範囲内との診断でした。
ただし、頭頂部の萎縮がまだ強いように見受けられます。

◆SPECTの結果
正常範囲。血流回復との診断でした。
 
◆脳波検査結果
入眠のタイミングで乱れが確認されました。
小児神経専門医によると、てんかん発症を否定できないとの事で、引き続きフォローする事となりました。
てんかん薬は服薬していません。おそらくそこまで高確率で発症するとは考えていないのでしょう。発症しないことを祈るのみです。
次回は9月に実施する予定です。

②現在のたろちゃん
 
手の動きが大幅に改善しました。
つまむなどの動作もだんだんと出来るようになってきました。
粗大運動を超えた動きも日々良くなっています。
粗大運動が問題なく出来ているので、脳にも刺激がバリバリ行くのでしょう。
言葉はまだ出てきませんが、音のレパートリーが増えてきている感じがします。
普通の子と同じように話せるようになると信じています。
 
 
・とにかくよく笑う
・睡眠のリズムが出来てきた
・ご飯を自分の手で取って食べる
・(拙いながらも)小さいシリアルをつまんで食べることが出来る
・貼ってあるガムテープを剥がすことができる
・メガネを面白がって取る
・「いないいないばあ」にケラケラ笑う
・小さな段差をしゃがまずに乗り越える(下りも上りも)
・好き勝手に歩き回って色んなものをムシャムシャ(口唇傾向なのか、単純にお口チェックしてるのか、そのどちらもなのかは不明)
 
一方で、

・学習能力が以前よりも落ちた
当然といえば当然ですけどね。以前は少し教えたら出来ることが多かったです。
見て学ぶことも多くあったのですが、以前に比べると落ちたかなあと感じます。
 
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このGWで入院~退院直後の映像や写真を見直しました。
たろちゃんがこうして生きていてくれたことに本当に感謝しています。

 

当たり前に思える日々は、全く当たり前じゃない。
毎日を噛み締めるように生きていかなければ、と感じています。
 
 

経過の概要 その2~退院から51病日目~

※カッコ内の数字は、病日を表します。
 
  • (26)うつ伏せからの頭上げが数秒間できるようになった。動けないがよく食べるため、太ってきた。
  • (32)かかりつけ病院へ血液検査に。結果、問題なし。
  • (33)おっぱいを見て笑った。ますます太っていく。
  • (35)寝返りがえりを数回できるようになった(不随意運動の反動を助けにしてやっと出来ているのだと思われるが…)。自分でなにかを目で追い、必要に応じて首の向きを変えるようになった。
  • (40)声のバリエーションが増えてきた。
  • (44)たかいたかいをするとしっかり笑ってくれるようになった。うつ伏せ状態から膝を立ててあげると、起き上がって座るようになった。自主的に動こうとはしない。
  • (46)座位を1~2分キープできるようになった。体勢を崩したときに脚でバランスをとったり、手で咄嗟に支えようとする動作が出てきた。
  • (51)劇的に改善。表情が圧倒的に良くなった。自力でうつ伏せから座るようになった。歩行器だと立つようになった。絵本を見て笑うようになった。周辺に興味がいくようになった(これまでは散歩をしに行ってもずっと地面を見ていた)。妻を追いかけるようになり、いなくなると泣くようになった。